ALBUM TOP 10 in 2011
今年聴いたアルバムを自分の好みで順位付けする記事ですこれが誰かの為の記事になれば幸いなのですが、独りよがりのメモみたいな感じになると思います
しかし毎年この記事を書かないと、今年どんなアルバムを聴いたか忘れてしまうんです
それを口実に、2008年ぐらいから書いているのですが、まとまりがつかない
【過去の記事】 [2008] [2009] [2010]
まず今年聴いたアルバムをまとめます
とはいえ今年はアルバムがたくさん出たので、今年リリースされたもので今年聴いたものだけを、まとめる、と
・capsule / WORLD OF FANTASY
・電気グルーヴ / 電気グルーヴのゴールデンヒッツ ~ Due To Contract
・HALCALI / TOKYO CONNECTION
・KREVA / GO
・NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / THE LABORATORY
・PUFFY / Thank You!
・RHYMESTER / POP LIFE
・RHYMESTER / フラッシュバック、夏。
・RIP SLYME / STAR
・SLY MONGOOSE / Wrong Colors
・TOKYO No.1 SOUL SET / 全て光
・UNICORN / Z
・UNICORN / Z II
・砂原良徳 / liminal
・アルファ / BOYS & GIRLS
・ケツメイシ / ケツノポリス7
・般若 / BLACK RAIN
・9mm Parabellum Bullet / Movement
この他にも、サウンドトラックやキャラソンやら色々あるが、それは作品として純粋に比べるのはどうかと思うので除外
いわゆる、”邦楽”としてカウントされるもので、考えたい。これまでもそうやって考えてきたはず、覚えてはいない
今年これだけのアルバムを聴けたと思うと少し嬉しい気もする、
特に新しいアーティストを好きになったわけでもないが、
好きなアーティストが立て続けに今年アルバムをリリースしてくれたからだ
大抵アルバムリリースの周期は2~3年に1枚(ノリノリなアーティストは1年に1枚)だったりするので、
今年はその周期が見事に重なった年と言えるかもしれない、ありがたや、ありがたやという気持ちです
以下。
No.10 BOYS & GIRLS /アルファ (2011/04/20) | |
![]() | アルファの、『Going!Going!Gone!』以来4年ぶりのアルバム。 売上こそ初登場152位と悲惨なものでしたが、個人的にはALIEN以来の快作。 特に目立って良いのは、ゲスト陣の活用法。今回はleccaやHALCALIにSU(RIP SLYME)、RYO(ケツメイシ)、更にスチャダラパーなどの豪華客演陣に加え、Bubblesという新鋭の女性ボーカルデュオも迎えた曲などとにかくバラエティに富んでいる。 一番気に入ったのは2曲目の「She Sea Girl feat.lecca,SU」、hookでのleccaの声、MC陣のスキルをこれでもかと見せつけたラップ、それに加えSUのラップがいい塩梅で馴染んで、アルファの新境地ともいえるメロディアスな曲に仕上がった。が、「STEREO LOVE」みたいな露骨に"愛をテーマにした"ような曲は、あまり、好きにはなれなかった。やはり"おばか"なアルファが、好きなのだ。そういう意味では14曲目の「君にポゴシッポヨ feat.スチャダラパー」はおばか。超おばか。K-POPをDISってるのか好きなのかよくわかんない感じの、変な曲。それ以外も基本的にはおばかな曲。 "ALIENシリーズ"の「ALIEN33」は、実はアルファの良さが濃縮されてるような。 |
No.9 GO /KREVA (2011/09/08) | |
![]() | KREVAの5枚目のラジオだから、『GO』。タイトル通り、従来よりも奇を衒ってない、前作『心臓』よりも心に突き刺さるアルバム。なのに、トラックはより自分の色を強め、完全にKREVAとしてのスタイルを貫き通し、更に進化させていた。しかも、1曲目「基準」や10曲目「C'mon, Let's go」からもわかる通り、よりメッセージ性を高めながら、様々なビートを構築していく様は、職人芸と見てもいいのかもしれない。 2曲目「挑め」は、"3度目"には必ず成功せよという意味が歌詞に暗示されている。個人的に気に入ったのは「パーティーはIZUKO?」、hookがそのままで、なんか笑った。以前はオートチューンをあまりにも多様していたので耳障りに感じることもあったが、今作ではもう逆に”オートチューンの素晴らしさ”が分かるぐらい聞かされるので、オートチューンが苦手な人にこそ聞いてもらいたいようなアルバムとなっていた。 |
No.8 Movement /9mm Parabellum Bullet(2011/06/15) | |
![]() | 9mmの1年ぶりのアルバム。意欲作、のはずなのに、なぜか前作『Revolutionary』と比べると驚くほどリピート回数が少なかった。なぜかは分からないけど、前作では通して聴いても全曲が際立ってて1曲1曲が素晴らしく感じたのだが、たぶん今作は通して聞くと、ダレてしまうのかもしれない。また10回20回と通して聞くと感想が変わるのかもしれないけど、今はあまり冴えないアルバムという印象しかない。 しかしシングルカットした3曲目「新しい光」や、このアルバムの後にストリングスバージョンとしてリリースした11曲目の「カモメ」は9mmらしい歌詞やメロディが特に際立つ、このアルバムでも特に好きな2曲。他には5曲目の「銀世界」がタイトル通りの銀世界をイメージとさせる音を、バンドサウンドのみで巧みに再現してる。また聞き直したら、評価が変わるのかもしれない |
No.7 liminal /砂原良徳 (2011/04/06) | |
![]() | まりんこと砂原良徳の、サントラ・ベストアルバムを除くと10年ぶり(!)のオリジナルアルバム。おそらく電気グルーヴよりも「カラダの筋肉はどれをとっても機械」かもしれないと本気で思いかねない、そんなアルバム。8曲で39分とミニアルバムレベルの長さながら、相変わらず声が無い純粋なエレクトロニックサウンドなのに、より濃いメッセージが込められている。そんなことができるのは、国内でも有数ではないだろうか。要は、メッセージをいかに、どうやって、伝えるか。それに関しては日本国内では砂原良徳の右に出る者はいないと思います。 そんなまりんの作る10年ぶりの本作。10年も経ってたら、例えば音の作り方や取り入れるジャンルが変わってきているのが普通だが、この人は違う。不変なのだ。2001年の『Lovebeat』から、不変なのだ。不変の良さがあるとしたら、このことなのだろう。不変だからこそ、マンネリを防ごうと人は努力を重ねる。そんな苦労が垣間見え、変わらないようにみえて実は「もしかして変わってるのかな?」と思える曲もある。 例えば6曲目「Beat It」はタイトル通り切迫感の強いビートがあらゆる方向から聞こえる、非常にタイトな楽曲。一切隙の無いまりんの最も隙が無いかもしれない曲。全体を通して聞くと、音のただれや広がりを無意識に感じ取ってほしい、耳に"良い刺激"を与えてくれるアルバムでした。また10年後? |
No.6 WORLD OF FANTASY /capsule (2011/05/25) | |
![]() | 元々は『KILLER WAVE』というタイトルで発売される予定だったこのアルバム、個人的には2006年の『FRUITS CLiPPER』から長く続いたcapsuleのエレクトロニクス路線の終着点ではないかと考えてます。 『FRUITS CLiPPER』から前作『PLAYER』まで、エレクトロニクス・テクノを色々とコンセプトを決めてアルバムを作ってきたと思うが、今作はその中でも"ボーカル"に重きを置いたアルバムだと思う。実際こしじまとしこ(以下こしこ)の必要性が先のアルバム以降薄れてきたように感じてたけど、このアルバムを聴いてとりあえず一安心したような気もした。 その中でも3曲目「I JUST WANNA XXX YOU」や4曲目「STRIKER」など、とにかく同じワードやサビをループした楽曲が多いのだが、そういった単純なループに良い音が乗り、ノリノリ。基本的にビートが弾みまくってるが聴いてて全然疲れないので、通して聴いても全く問題の無いアルバム。今まで『FRUITS CLiPPER』以降で通して聴けるアルバムはそれほどなかったが、これは通して聴ける。それはつまりこのアルバムは私とピッタリ、ということなのかもしれない。特にこの曲が秀でてる!というのは選びがたいが、通して聴くと良いなと思えるアルバムのひとつ、だと思う。 |
No.5 Z II /UNICORN (2011/08/31) | |
![]() | ユニコーン復帰後3作目のアルバム。とはいえ、ミニアルバム。5月にアルバム『Z』を発表した2ヶ月後ぐらいに発表された本作。2011年は6月から10月ぐらいまでツアーをやったりと「兎に角働こう」をテーマに今年活動してきたユニコーン。 『Z』を大真面目な、気を衒ってないアルバムとすると、今作は"おふざけに"気を衒ってないアルバム。つまり、ドストレートに、ふざけきっている。何より1曲目「手島いさむ大百科」が、Gt.の手島いさむのインタビュー音声を切り貼りして、適当なBGMに乗せたというMADみたいな曲。こんな曲を、平均年齢48歳くらいのおじさん達が作ったのだから、それだけでも笑ってしまうのに、曲がまたちゃんと成立してるからもっと笑える。2曲目「レディオ体操」はそんな中でもおふざけはそんなに無いのだがとにかく"痛快"なロックナンバー。痛快すぎて、サビの「クセになりそぉ~!」が本当にクセになりそうになった。が、歌詞の意味を考えると一番ふざけてるのはこの曲かもしれない。 以降えんやとっとと曲が続き、阿部曲・EBI曲・川西曲が続くと最後にあるのが「晴天ナリ」作曲:阿部義晴、Vo:奥田民生は黄金パターン。『Z』の「ライジングボール」に匹敵する"泣かせ"のロック。が、先述の曲と比べるとなんとなく煩雑に感じる。突然EBIの声が入ってたり、『Z II』らしさがちょっと残る、そんな一面もあったりで。ですがアルバム全体を通してみると、ミニアルバムなので何度も聴ける。聴けるが、ファンじゃないと、キツイものがあるかもしれない。逆に言えばファンならマストバイなアルバム。特典DVDのレコーディング風景と『Z』のPVが盛りだくさんで嬉しかった。 |
No.4 STAR /RIP SLYME (2011/03/02) | |
![]() | RIP SLYMEがベストアルバムを経て出した2年ぶりのオリジナルアルバム。タイトルからSFサウンドが広がるのかと思ったら、そうでもなく。1曲目のイントロでありインストの「The Beat Goes On」から5曲目の「フォーチュン・クッキー」こそSFのようなスペースサウンドのようなトラックが広がりながらも、以降はDJ FUMIYAが得意そうなバラエティに富んだトラックが並ぶ。 前作が非常に「あっさり味」だったのに対し、こっちは「こってりまろやか味」と例える。意味わからん。つまり、今まで以上にリリックに深みが増して、それが熟練のラップスキルと相まって、1曲1曲がこれまでのどのアルバムより濃く聞こえた。でもそんな中で10曲目の「○×△□」は、ゆっるいSUのトラックにゆっるいSUのラップが乗った珍しい曲があったり、12曲目「Simply」みたいに2分弱しかないのにちゃんと完成されてる曲があったり。今までのどのアルバムよりも自由で、どのアルバムよりも聴いてて飽きないアルバム。 そしてこれを傑作たらしめてるのが最後の13曲目に収録の「BABY」。タイトルとおり、DJ FUMIYAに第一子が出来たことを記念に作られた赤ちゃん曲。HOOKのドラムが赤ちゃんが足をバタバタさせてる感じを出した、とはFUMIYA談。この曲がこのアルバム全体を包む"音のやさしさ"を更に際立たせてくれた。良いアルバムだと、思えた。ちなみにシングルカット一切無し。おかげで統一感も今までのアルバムで1番高いのでは、と思った。個人的に、最高傑作。 |
No.3 POP LIFE /RHYMESTER (2011/03/02) | |
![]() | 余計なお世話だバカヤロウ!でしょう。このアルバムの肝は最後11曲目収録の「余計なお世話だバカヤロウ」でしょう。2007年の活動休止後、2010年にアルバム『マにfスト』で復帰した後、わずか1年のインターバル(キャリア最短)で出したオリジナルアルバム。前作が堂々とプロのスキルを見せつけたアルバムとするなら、今作はRHYMESTERの持つポップさ、シニカルさ、そしてやはりスキルの高さを見せつけつつ、リリックは生活感にあふれたという面白いアルバム。これまでのRHYMESTERのアルバムの中では一番"おちゃらけた"アルバムなのだが、その中でも最後の「余計なお世話だバカヤロウ」のおかげで、このアルバムが一気に名盤となってしまった。 しかし、メリハリをつける為か、大真面目な曲もある。6曲目「Hands」は、心は子供のまま育ってしまった母親の子育てが増加しつつあることを警告した曲。9曲目「Born To Lose」は、"成り上がりなMC達"の曲。99年発売のアルバム『リスペクト』収録の「敗者復活戦」に通ずるものがあるためか、ライブでは「Born To Lose」と「敗者復活戦」が同時に歌われたという逸話も。そしてシングルカットされた10曲目「Walk This Way」。BACKLOGICの作るトラックや従来のRhymesterでは考えられないようなすごく眩しいリリックに最初は違和感も感じたが、通して聴くと「Born To Lose」からの流れと、アカペラから始まるということもあってそれほど違和感がなくなった。そして最後の「余計なお世話だバカヤロウ」、つまり、タイトルのまま。こうやってブログに感想を書くことも、余計なお世話なんだろうなと考えてしまいかねない、ちょっと危ない曲。でも、いいんです。なぜなら、聴いてて笑いしか出てこない曲だから。「よっけーなおっせっわっだ!」って一緒にコールしちゃったら、もうあっちのもんです。 |
No.2 全て光 /TOKYO No.1 SOUL SET (2011/02/09) | |
![]() | 2枚組アルバム。1枚目は今までのTOKYO No.1 SOUL SETのこれまでの曲や往年の名曲を女性ヴォーカルに歌わせるという大胆なカバー、2枚目は2010年に行われたライブを収録したライブCD。この2枚ともが、凄まじくクオリティが高い。知名度が無いが故に埋もれてしまう名盤のひとつ。 まず1枚目。ゲストヴォーカルにクラムボン・原田郁子、真木よう子、EGO-WRAPPIN'・中納良恵、土岐麻子、更に小泉今日子などの豪華女性ヴォーカル陣を迎え、様々なカバーを収録。更にTOKYO No.1 SOUL SET+HALCALI名義の「今夜はブギーバック」「You May Dream」も収録とかなり豪華。1曲目「全て光」は、アルバム『OUTSET』収録時には、何とも乾いた曲というイメージだったが、ボーカルを女性に変え、曲もそのヴォーカルに合あわせてアレンジすることで見事に艷っぽく。艷っぽさでいえば2曲目の「星影の小径」のカバーの艷っぽさも比類無き物。真木よう子の声がただ、ただ、艷っぽい。他にも「Sunday」のカバーアレンジも、原曲のBIKKEのラップと見事に融け合った良い出来に。プロデュース業も兼ねてやってきたSOULSETの手腕が、遺憾なく発揮されている。 2枚目のライブアルバムは、ファンなら興奮せずにはいられない名盤。何よりとにかく、アツい。ひたすらアツい。BIKKEのラップはスタジオ音源ではとにかく淡々としている。なのにライブでは逆。ひたすらアツくなる。オーディエンスを盛り上げる。もうズルいとも思えるそのライブパフォーマンスに、ライブでも十分映えるトラックがひたすら場を盛り上げる。残念なのは、収録されてるのはライブで披露された曲の半分ぐらいだということ。それでも満足できる12曲。特に9曲目「Bow & Arrow」のライブバージョンは、少しだけBPMが上がっていて、激アツ。雨が降りしきる中、会場の熱が冷めることはなかったのでした。 スタジオ音源だけじゃない、SOUL SETの"別の良さ"がよーく分かるアルバム。 でも、2枚ともファン向けです。 |
No.1 Z /UNICORN (2011/05/25) | |
![]() | 今年を振り返ってみても、どう考えても一番聴きまくったアルバムが『Z』。 5位のユニコーンのミニアルバム『Z II』の3ヶ月前に出されたフルアルバム。ユニコーンは今作を「普通のアルバムを作る」と意気込んで作った。そうすると、気合が入りすぎたのだろうか、ユニコーンの実力をフルパフォーマンスで発揮した完全な名盤となってしまった。おそらく、狙い通りだろう。まんまと、狙い通りになってしまった。前作の復帰第1作目アルバム『シャンブル』も十分、熱かった。しかし今作はそれに匹敵するほどの"熱さ"に、よりバンドとしての5人の"結束"を感じてしまった。とにかく、どの曲も良い。通して聴きたくなる。何度も通して聴きたくなる。なのに。なのに、どの曲も単体で聴いても十分満足できる。こんなアルバムに今までなかなか会えなかった。 1曲ずつレビューを書こうと思えば書けるが、それよりも1曲だけを、深く考えていきたい。それは12曲目の「ライジングボール」。作詞:奥田民生、作曲:阿部義晴、Vo.:奥田民生という組み合わせ。まず作曲:阿部義晴ということにおいて外れはない。なぜなら阿部義晴は活動休止期間の間、ソロ活動も去ることながら、プロデュース業に徹してきたから。つまり歌手・アーティストの魅力をより引き出せる楽曲作りが得意なのだ。そして今回のボーカルは奥田民生。奥田民生の魅力とは、ズバリその力強く伸びのある男気溢れる声だろう。ただしそれは現在の奥田民生で、ユニコーン解散前の奥田民生の声は、また違っていた。"現在の"奥田民生の声を十分活かすにはどんな曲を作ればいいのか、そこに阿部義晴は"エモーショナル"という答えを打ち出した。ストリングス+バンドサウンドのとにかくエモーショナルな楽曲を作り、普段の奥田民生が照れて作らなそうな楽曲にした。そしてそれに対する奥田民生の答えが、「ライジングボール」というタイトル。「雨なんか無い、どこまでも空」から始まる歌詞から分かるように、空をグングン進んでいくかのような歌詞。そしてその歌詞の雰囲気を損ねない奥田民生の熱唱。これが、このアルバムをマスターピースにしている一部分。 他の13曲も合わせて、この『Z』というアルバムは、確かに"心を揺さぶられた"。そしてたまに笑ったり、たまに脱力したり、たまに熱くなったり、たまにラップしたり。来年になっても何度か聴いてるだろう。たまに聴きたくなったら、通して。なんとなくな時は、単曲でも大丈夫 良いアルバムの条件とは、そういうことが出来るということなのかも、しれない。 |
来年はどんなアルバムに、出会えますか
まってろよ
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