ALBUM TOP 10 in 2013
去年に引き続き今年聞いたアルバムの感想と勝手につけた順位を書きます
でも、無駄にアルバムジャケットをはりつけるのも面倒だし
長文だらだら書いても疲れるし読まれることもないと思うんで
かなり簡略化します。
でも、そのほうが、たぶんいい。
10位:SPACE / KREVA [2013/2/27]
KREVAの2年ぶりのアルバムで、タイトルのSPACEについて触れます。
どこがどうSPACEだったのかといえば、バックトラック。
シンセサウンドを主体としたトラックは浮遊感満載でSPACE=宇宙そのもの。
コンセプトとしては良かったんだけども、ラップのほうは前作「GO」とほぼ同じもの。
歌詞にもっと注目すれば感想も変わってくるかもしれないけど。
#3 Feel It In The AirあたりのKREVAにしか出来なさそうなラップ、
#8 調理場のようなKREVAが得意とするリリシストであることを唄うラップは相変わらずインパクト大でした。
9位:try∴angle / TOKYO No.1 SOUL SET [2013/12/4]
前作『Grinding Sound』以来1年半ぶりとなるソウルセット。
ソウルセットはやはり、流行に流されず己のスタイルを貫いて欲しい…
と思いとは裏腹に、2008年のBeyond The World以降は明るさとポップさを前面に。
前作とは違い、今回は限定シングルとして「OneDay」をリリース、
OneDayはフジテレビ系列のドラマ主題歌に起用されるなど話題性十分
が、やはりこれも前作同様、特にコレといった曲が無いんです。
全体的にあっさりとしすぎているソウルセット、もっと、あくが強くても良いとは思うけど。
あ、そうか、今回のアルバムを通して聞くとバラード色が強いのか。強いぞ渡辺俊美さん。
8位:CAPS LOCK / CAPSULE [2013/10/23]
驚いたのは、capsuleがCAPSULEに改名したのが「タイミングが無かったから」という事。
確かにcapsuleでそれなりに売れ出したから、変えようが無かったもんね。
アルバムとしては非常にシンプル、シンプルすぎ、シンプルがテーマってぐらいのシンプルさ。
音がシンプル、歌詞もシンプル、曲名もシンプル、アートワークもシンプル。
ここまで無駄を省いておきながら、音楽としてはしっかりオリジナリティを含め成立してる。
なんだか聞きながら、音階の変わり方とか音の重ね方が初期capsuleっぽくてほんわりしました。
ヤスタカさんも「室内で聴く専用のアルバム」と仰ってるので、そうしていきます。
CAPSULEはしばらくエレクトロニクス路線が続いてたので、ここでまた変えてきたかとびっくりでした。
7位:人間と動物 / 電気グルーヴ [2013/2/27]
今気付いたんですが、KREVAのSPACEと同時発売されてたんですね。そういえば、そうだ。
常にテクノサウンド上で歌い上げるサウンドを信条としていた電気グルーヴ、
その電気グルーヴも2人とも45歳を越え、テクノだテクノだと言ってられなくなりました。
しかしその中でもそのスタイルを貫き、むしろそのスタイルを強めてきたのがこの作品。
雰囲気としては決して明るくなく、少し退廃した、大人びたサウンドとムード満点のサウンドの中
いつものようにクールに、必要最低限の歌詞を歌い上げる2人。この雰囲気、相当好きです。
#5の「Slow Motion」も、良い大人から悪い大人にまで人気のある曲のようでなにより。
最後に「Steppin' Stone」のカバーを入れてるのが、このアルバムのミソですよね。
6位:Dawning / 9mm Parabellum Bullet [2013/6/26]
9mmサウンドの到達点だと考えています。9mmのスタイルは1stアルバムの時から一切ブレてません。
滝さんの多種多様なエフェクターとテクニックを駆使したサウンドをメインに置き、
リフの心地よさや速弾きを魅せつつ、菅原さんの甘いボーカルが乗っかる形。
このスタイルを突き詰めた結果が、このアルバムだと思います。
その中でも#7「コスモス」は静の9mm、#10「ハートに火をつけて」は動の9mm、
激しいパワープレイだけのイメージが勿体無いぐらい表現力の幅が広がっていきます。
ここまで来ると次に9mmがどういったシングルやアルバムを出してくれるか楽しみで仕方ないです。
5位:ダーティーサイエンス / RHYMESTER [2013/1/30]
ダーティーダーティー、ダーティーダーティー、
汚れっちまった中年ラッパーがナイスミドルなトラックに乗せてラップをする。
活動再開してから、あえてストレートなヒップホップは避けてきたと思うRHYMESTER。
だから今作は、これでもかというぐらいの直球HIPHOPを詰め込んでくれました。
個人的には、DJ JIN作曲の「Deejay Deejay」がJINらしいファンキーさを取り込みつつ、
やたらとカッコイイ仕上がりになってるのが嬉しい限りです。やりますね、DJ JIN。
そして#4「ドサンピンブルース feat.キエるマキュウ」、メジャーの曲とは思えないぐらいの浮浪者臭。
この曲がもしかしたら、キエるマキュウ・MAKI THE MAGIC氏の最後のREC TRACKなのかなあ。
キエるマキュウの新作はもう見ることは出来ませんが、最後までRHYMESTERとキエるマキュウは同盟でした。
4位:COME RAIN COME SHINE / 布袋寅泰 [2013/2/6]
歌詞に非常に重きを置いた、布袋寅泰の新しい方向性を見せつけたアルバム。
その起因は、やはり2011年3月11日の東日本大震災。
それにより生まれた、ラストを飾る「Promise」、その手前の#11「Dream Again」
この二曲の繋がりもなかなか感動を煽るものがあって、歌詞のテーマも繋がっているのが素晴しい。
布袋寅泰のアルバムで、歌詞で、感動と勇気を両方貰えるって、ありそうでない感じでした。
「もう一度、夢を見よう」これがアルバム全体のテーマのような気もします。
この言葉にズシリと重みを感じるのは布袋寅泰の真摯な気持ちの存在、
また彼特有の男気ある歌声、包み込むような優しさのあるサウンド。しかし、紛れも無いロック。
ラストの「Promise」は、今聞いても曲構成と歌詞の良さに惚れ惚れしてしまうんです。
今年ライブにも行ったんで一際思い出に残るアルバムとなりました。ライブアルバムも聞きましょう。
omeday You can change the world.
3位:GOLDEN TIME / RIP SLYME [2013/12/4]
RIP SLYME、2年半以上ぶりのニューアルバム。結構開きました。
でも、前作の「STAR」がつい最近のように思えるのはなんででしょうか。
ついでに言うと2010年のベストアルバムの「SCAR」もかなり最近に思えて仕方ありません。
こんな感じで、RIP SLYMEの作るサウンドは多種多様なエッセンスを取り入れつつ
それにラップを乗せていくオルタナティブな曲作りを取り入れてるので、古臭さが無いんです。
かと思えば今回のアルバムは、あえてジャジーな吹奏楽やオルガンサウンドを取り入れアダルティー
何よりRIP SLYMEに感じる最大の魅力は、「一聴きでノックアウトされる楽曲」だと考えてます。
今回のアルバムも、一回聴いただけでノックアウト。DJ FUMIYAの癖になるトラック、
4MCの個性あるラップ。これがあるので、デビューして18年経っても飽きないわけです。
#2「FAKE」、#6「気の置けない二人」あたりの胡散臭さに新境地を感じました。
2位:POP STATION / CAPSULE [2013/3/6]
NONA REEVESは常に高水準な日本語ポップスを提供してくれているグループですが
今作はそのNONAの最新型でありまたも金字塔になった作品だと思います。
#1「P-O-P-T-R-A-I-N」で、爽快なスタートを切ったポップスの曲達は
#4「ECSTASY」で一旦プリンスの様な大人びた雰囲気を醸し、
#5「GOLDEN CITY feat. 一十三十一」で直球なのに新しいデュエットソングを魅せた後
#7「マンドリン・ガール」、#9「三年」でNONAお得意のしっとりと聴かせる展開の後、
#10「休もう、ONCE MORE」でメンバー全員でマイクを取り優しく締める。
この流れ。この展開。文句なし、比類なき日本ポップスの良心であり、可能性の広がりも見えました。
好きな曲がこれ、というか、どの曲も好きになれるアルバムです。そんなアルバム、素敵ですね。
1位:O.T. Come Home / 奥田民生 [2013/11/27]
凄い。最初聴いた時、この感想しか出てきませんでした。今もそうですけど。
何が凄いって、色々凄いアルバムなんですが、やはりまずは全曲自分で演奏している事でしょう。
シンガーソングライターここに極まれりです。(前作OTRLも全曲自分演奏ですが)
が、それだけなら割といます。割とそういうシンガーソングライターは多いです。
このアルバムの凄さは、それだけに留まりません。全曲自分で作詞作曲演奏した結果、
自分(=奥田民生自身)の持つ世界観、価値観がこれでもかと垣間見れることです。
そしてこのアルバムではそれに圧倒されてしまうわけです。
そりゃそうです、奥田民生が家に来たんですから。
#1「フリー」から圧倒されます。というか、この曲は圧倒しに来てるんですが。
あとは#5「太陽の野郎」#7「チューイチューイトレイン」#8「ぼくら」
#9「風はどこから」など、アルバムオリジナル曲がどれもたまらなく愛おしくなります。
全体的に、ほんのり暗かったり、なんかちょっと明るかったりして色々な奥田民生がいます。
しかしどの曲にも共通して言えるのは、何度聞いても飽きない曲構成になっているという事。
それはいったいどういう曲なのか。基本的に、起伏の少ない曲なんだと思います。
のっぺりしているのかもしれません。でも、奥田民生らしさはそこにあるかもしれません。
一方シングル曲の「風は西から」「拳を天につき上げろ」では従来のファンも納得のミディアムテンポ。
このバランス感覚がなんとも絶妙で、何度も何度も聞いても飽きないんです。いいですね。
まだ発売されて1ヶ月ぐらいしか経ってないですが、10年先も聴いているんだろうなと思います。
#5「太陽の野郎」、#12「かいあって」に見られる、ほんの少し暗い奥田民生が聞いていて落ち着きます。
今年もいろんなアルバムが聞けました。
よかったよかった。
ほんとよかった。
音楽は素晴らしい。ってよく言うもの
良いお年を